【初心者向け】AIエージェントとは?生成AIとの違いと企業・ECでの活用方法をわかりやすく解説
ChatGPTなどの生成AIを使い、文章の作成や情報の要約を行う企業が増えました。その次の活用方法として関心を集めているのがAIエージェントです。
AIエージェントは、利用者が伝えた目的をもとに、必要な情報を集め、必要な作業を洗い出し、外部のシステムを操作して目的を遂行する仕組みです。ビジネスでよくあるユースケースとしては問い合わせ内容を確認して回答文を作ったり、顧客情報の照合、担当部署への通知、対応履歴の記録などを行うことが可能です。
導入効果を左右するのは、AIの性能はもちろんですが、どの情報を参照させるか、どの操作を許可するか、人の確認をどこに挟むかといった全体のフロー設計です。各フローの内容を、実業務に合わせてきちんと設計する必要があります。
AIエージェントの基本

Google Cloudの解説では、AIエージェントを、「利用者に代わって目標を追い、作業を完了するソフトウェアシステム」と説明しています。推論、計画、記憶を使い、一定の範囲で自律的に判断して動く点が特徴です。
たとえば、ECサイトの担当者が「在庫が少ない商品を確認し、販売状況をまとめてほしい」と依頼したとします。AIエージェントは、次のような流れで作業します。
- 在庫管理システムから在庫数を取得する
- ECカートから直近の販売数を取得する
- 欠品しそうな商品を抽出する
- 商品ごとの状況を表にまとめる
- 担当者へ確認を依頼する
生成AIに一つずつ質問する方法では、担当者が各画面を開き、データをコピーし、次の指示を出します。AIエージェントには作業の流れを登録できるため、同じ業務を繰り返し処理しやすくなります。
目的、判断、実行

目的とルール
AIエージェントには、達成する目的と守るルールを設定します。「問い合わせに回答する」という指示だけでは範囲が広すぎます。「公式サイトと社内FAQを参照する」「料金を確定しない」「個別見積もりは営業担当へ渡す」といったように、詳細なフロー、タスクまで決めると、業務で使いやすくなります。
参照情報
企業が使うAIエージェントには、自社の商品情報、サービス資料、よくある質問、社内規程などを参照させます。回答の正確さは元データに左右されます。古い料金表と新しい料金表が同時に残っていれば、AIが誤った金額を選ぶこともあります。
まず文書の管理責任者と更新日を決めます。これは地味ですが、決めておかないと、AIに渡す情報の正確さが担保できなくなります。
外部ツールとの連携
AIエージェントはAPIなどを通じて、顧客管理システム、在庫管理、メール、カレンダー、ECカートなどと連携できます。これら外部ツールとの連携によって、生成AIが作った内容を、実際の業務へ反映できるようになります。
閲覧だけを許可するのか、登録や更新も許可するのかは分けて設定します。注文の取消し、返金、価格変更など影響の大きい処理には、人の承認を入れるのが妥当です。
作業履歴と評価
企業で継続利用する場合、AIが参照した情報、選んだ処理、実行結果を記録します。問題が起きた際に原因を調べられます。回答率、引き継ぎ率、処理時間、修正件数などを測ると、改善すべき点も分かりPDCAのサイクルが回せます。
生成AIとの違い

生成AIは、文章、画像、音声、プログラムなどを作る技術の総称です。AIエージェントは生成AIを判断部分に使い、データと業務ツールを組み合わせて複数の作業を進めます。
| 比較項目 | 一般的な生成AIの利用 | AIエージェント |
|---|---|---|
| 主な依頼 | 質問、要約、文章作成 | 目的と完了条件の指定 |
| 作業の単位 | 一回の入力と回答 | 複数の手順 |
| 情報の取得 | 入力された文章や添付資料 | 許可された社内データや外部サービス |
| 実行 | 回答や成果物の生成 | 検索、登録、通知、更新など |
| 人の役割 | 毎回指示して内容を確認 | ルール設定、承認、例外対応、改善 |
この表は技術を完全に分けるものではありません。現在のChatGPTなどにも、検索や外部ツールを使って作業を進める機能があります。比較するときは製品名より、回答を受け取る使い方なのか、業務の完了まで任せる使い方なのかを確認すると整理しやすいでしょう。
実業務での活用

導入先として選びやすいのは、手順がある程度決まっており、発生回数が多い業務です。
問い合わせ対応では、AIが質問の内容を読み、社内資料から回答候補を探し、返答文を作成できます。技術的な相談は担当者へ渡し、営業時間や対応地域などの質問には自動で回答する、といった振り分けも可能です。
営業部門では、問い合わせフォームの内容を顧客管理システムへ登録し、業種や相談内容に応じて担当者を割り当てられます。担当者が商談前に確認する会社情報や過去のやり取りをまとめる用途にも向いています。
社内業務では、申請書の不足項目を確認する、会議資料の元データを集める、定例報告の下書きを作るといった作業から始められます。判断基準が曖昧な仕事や、担当者の経験に強く依存する仕事は、先に手順を整理する必要があります。
ECサイトでの活用

商品案内と問い合わせ対応
商品数が多いECサイトでは、購入者が条件に合う商品を探しきれないことがあります。AIエージェントに商品データを接続すると、用途、予算、サイズ、在庫状況を確認しながら候補を提示できます。
配送日、返品条件、決済方法に関する質問にも対応できます。注文番号や個人情報を扱う機能では、本人確認と閲覧権限を厳密に設定します。
EC運営の補助
運営側では、在庫の確認、レビューの分類、商品説明の更新候補作成、売上レポートの作成などに使えます。AIが変更案を作り、担当者が確認後に公開するという流れなら、人の業務は減らしつつ品質を保ちやすくなります。
導入前の確認項目

最初から広い権限を渡す必要はありません。社内文書の検索や回答案の作成から始め、結果を確認して対象業務を増やすほうが安全です。
- AIに任せる作業と完了条件が決まっているか
- 参照するデータが最新か
- 個人情報や機密情報の範囲を把握しているか
- 登録、送信、更新に必要な承認を決めているか
- 誤回答や処理失敗を人へ渡せるか
- 実行履歴を確認できるか
NISTはAIエージェントの安全性に関する資料で、外部データに含まれる不正な指示や、AIが意図しない操作を行うリスクを挙げています。業務システムへの接続が増えるほど、権限管理と記録が欠かせません。
AIエージェント導入とWebサイト

AIエージェントは、目的、参照情報、利用できるツール、承認ルールを組み合わせて仕事を進めます。成果を出しやすいのは、繰り返し発生し、正解と例外を説明できる業務です。
ホームページやECサイトに導入する場合、表面に表示するチャット画面だけを作っても十分ではありません。サイト内の情報整理、商品データの管理、既存システムとの接続、個人情報の保護、人への引き継ぎまで設計する必要があります。
ECサポート株式会社では、郡山市を拠点にホームページ制作とECサイト構築を支援し、企業ごとの情報を使って問い合わせに対応するAIコンシェルジュ(AIエージェント)の開発を進めています。現在の業務を確認したうえで、AIに任せる範囲を小さく決めるところからご相談いただけます。お気軽にご相談ください。