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小規模ネットショップのAIエージェント導入事例|受注・在庫・問い合わせでの使い方

小規模ECにおけるAIエージェント導入事例
公開日

AIエージェントの導入事例を集めても、出てくるのは大企業の事例ばかりで、自社の規模でどこまで使えるのか判断できない…という相談を受けます。原因は、紹介されている事例の多くが数百人規模のコールセンターや専任の情報システム部門など、大企業基準の体制を前提にしていることです。数人で運営している店舗の業務に当てはめようとすると、担当者の人数もデータの整備状況も前提が違い、そのままではあまり参考になりません。

小規模なネットショップで実際に使われている範囲は、受注確認、在庫の欠品連絡、よくある質問への一次回答に絞られていることが多いようです。以下では、この3つの業務でAIエージェントがどこまでを担い、どこからを人が引き継いでいるかを具体的に見ていきます。

受注確認で任せられる範囲

注文が入った直後の確認作業は、定型的な処理が多い業務です。注文内容と在庫数を突き合わせ、支払い方法に不備がないかを確認し、問題がなければ発送準備に回すという流れの多くはルール化できます。

ある衣料品の小規模店舗では、1日あたり30件前後の注文のうち、住所や支払い情報に不備があるものは月に数件程度だったそうです。この店舗では注文確認と在庫の突き合わせまでをAIエージェントに任せ、不備が見つかった注文だけを担当者に回す形にしています。確認作業にかかる時間は減ったものの、発送先住所の最終確認は人が続けているとのことです。住所の誤字や旧住所の入力は、システム側のルールだけでは拾いきれません。

不備の判定基準も、運用しながら少しずつ足していったそうです。導入した当初は郵便番号と住所の不一致だけを見ていましたが、マンション名や部屋番号の抜けで再配達になる例が続いたため、抜けを検知する条件を後から追加したといいます。最初の設定を完成形にする必要はなく、実際に起きた不備から条件を増やしていく進め方だったようです。

在庫管理で任せられる範囲

在庫管理では、欠品や残数僅少の通知を任せる例が目立ちます。特定の在庫数を下回った時点で担当者に知らせる、注文が重なって在庫が合わなくなった商品のページを一時的に非表示にするといった処理です。

雑貨を扱うある店舗では、人気商品の在庫が想定より早く減り、実店舗とネットショップの両方で受注してしまう二重販売が過去に起きていました。在庫数の同期と閾値を下回った際の通知をAIエージェントに任せてから、二重販売は起きていないそうです。ただし、仕入れ先への発注のタイミングや数量の判断は、季節や過去の販売実績を踏まえた人の判断が残っています。在庫を切らさないための発注は、残数の計算だけでは決められないからです。

閾値の数字自体も、商品によって別々に決める必要があったといいます。回転の早い商品と季節限定の商品を同じ基準で扱うと、片方は通知の回数が増え、もう片方は通知のタイミングが遅れてしまうためです。売れ行きの傾向ごとに数字を分けたことで、通知の精度が上がったそうです。

問い合わせ対応で任せられる範囲

問い合わせ対応は、内容によって任せられる範囲の差が大きい業務です。送料や配送日数、在庫の有無といった定型的な質問は自動応答に向いていますが、サイズ選びやコーディネートの相談のように個別の判断を含む質問は、任せる範囲を広げるほど回答の精度が落ちます。

食品を扱うある店舗では、問い合わせの半数以上がアレルギー表示と賞味期限に関するものだったため、この2種類に限定して一次回答をAIエージェントに任せました。アレルギー表示のように誤った回答が健康被害につながりかねない項目は、AIエージェントの回答をそのまま送らず、担当者が承認してから送信する運用にしているとのことです。任せる範囲は広げるほど楽になるとは限りません。

承認の手間を残した分、対応時間の短縮幅は限られていたようです。それでも、回答文の下書きを毎回ゼロから書く必要がなくなり、担当者は表示内容の正誤を確認するだけで済むようになったといいます。作業の種類が変わったことで、担当者の負担が減った例といえます。

事例から見える、任せた後に必要になる作業

3つの事例に共通しているのは、運用しながら設定を直し続けている点です。受注確認の不備判定、在庫の閾値、問い合わせの回答範囲は、どれも最初の設定のまま終わっていません。導入した時点はあくまで出発点です。

この調整を誰が担当するかを決めていない店舗では、不具合が起きたときに直す人が決まらず、古い設定のまま使い続けてしまう例もあるようです。導入前に、設定を見直す担当者と、見直す頻度をあらかじめ決めておくと、こうした停滞を避けやすくなります。

小規模店舗で導入が進みやすい条件

ここまでの事例に共通するのは、業務の中でも判断の幅が狭い部分から任せ始めている点です。注文内容と在庫数の突き合わせ、閾値を下回った際の通知、定型的な質問への一次回答は、いずれも条件が明確で、担当者の間で判断がぶれにくい業務です。

発送先住所の最終確認や仕入れの発注量、個別相談への回答のように状況ごとに判断が変わる業務は、事例を見る限りまだ人が担っている部分が多いようです。小規模店舗では担当者が1人か数人しかいないことも珍しくなく、任せた業務で判断ミスが起きたときの手戻りを吸収する余力が大企業ほどありません。判断の幅が狭い業務から着手し、運用しながら範囲を広げていく進め方が、事例の多くに共通しています。

まとめ

小規模なネットショップの導入事例では、受注確認の一部、在庫の閾値通知、定型的な問い合わせへの一次回答という、判断の幅が狭い業務から任せている例が目立ちます。住所の最終確認や仕入れの発注量、個別相談への回答は、事例を見る限り人が担い続けている部分です。設定は導入時点で完成させず、運用しながら直していく前提を持つことも共通しています。

ECサポート株式会社は、郡山市を拠点にホームページ制作とECサイト構築を支援しています。自社の業務のどこから任せられるかを整理する相談も受け付けています。AIエージェント導入をご検討中でしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ださい。

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