数字が苦手でも分かるアクセス解析|改善につながる5つの指標
アクセス解析ツールを導入したものの、画面に表示される多くの数値やグラフをどのように見ればよいか分からないという相談を多くいただきます。Google アナリティクス(GA4)などのツールは多機能であるため、どの数値が自社の成果に直結しているかを把握することが簡単ではありません。
アクセス解析の目的は、数値を分析してウェブサイトの課題を特定し、具体的な改善策を実施することです。数字に苦手意識があるWeb担当者や店舗責任者でも、確認すべき重要な指標を絞り込むことで、サイトの改善活動を進めることができます。
この記事では、ウェブサイトの改善につながる5つの基本指標と、それぞれの数値に応じた具体的な改善アクションを解説します。ECサイトで重要となる指標や、分析から改善へつなげる手順についても説明します。
アクセス解析の基本原則
ウェブサイトのアクセス解析を行う際は、すべての数値を均等に確認する必要はありません。自社のビジネス目標(お問い合わせの獲得、商品の購入、資料請求など)に関連する数値を選定し、定期的に観察することが重要です。
データを確認する際は、単一の数値を見るだけでなく、前月との比較や前年同期との比較を行います。時間の経過に伴う変化や、施策を実施した前後の変化を比較することで、ウェブサイトの状態を正確に把握できます。
優先して確認すべき5つの基本指標

アクセス解析ツールには無数の指標が存在しますが、最初に着目すべき指標は5つに絞られます。これらの指標を順番に確認することで、ユーザーの流入から成果達成までの流れを把握できます。
1. ユーザー数(訪問者の規模)
ユーザー数は、指定した期間内にウェブサイトを訪問した固有の人物の数を示します。同じ人物が期間中に何度訪問しても、ユーザー数は「1」とカウントされます。
この数値は、ウェブサイトがどれだけの集客力を持っているかを測る基礎的な指標となります。ユーザー数が不足している場合、どれだけ魅力的なコンテンツや商品を用意しても、十分な成果を得ることができません。
ユーザー数が想定よりも少ない場合は、集客施策を見直す必要があります。具体的には、検索エンジンからの流入を増やすSEO対策、Web広告の運用、SNSでの情報発信、Googleビジネスプロフィールの整備などが改善アクションとなります。
2. 流入経路(アクセスの発生源)
流入経路は、訪問者がどのような経路でウェブサイトに辿り着いたかを示す指標です。主要なチャネルは以下の通りに分類されます。
- Organic Search:検索エンジンの自然検索結果からの流入
- Paid Search:検索連動型広告(リスティング広告)からの流入
- Direct:URLの直接入力、ブックマーク、メルマガなどからの直接流入
- Referral:他のウェブサイトに貼られたリンクからの流入
- Organic Social:SNSの投稿からの流入
流入経路を確認することで、自社サイトの集客の強みと弱みが明確になります。特定のチャネルに依存している状態は、そのプラットフォームの仕様変更によってアクセスが急減するリスクを伴います。バランス良く集客チャネルを分散させることが安定した運用につながります。
例えば、Organic Searchからの流入が少ない場合は、検索ユーザーのニーズに合わせたコンテンツの追加やサイト構造の最適化を実施します。
3. 人気ページとランディングページ
人気ページは表示回数(ページビュー数)が多いページであり、ランディングページは訪問者が最初にアクセスしたページを指します。
訪問者がどのページに強い関心を持っているか、どのページが入口となっているかを把握することで、サイト内の動線設計を改善できます。アクセス数が多く集まるページは、自社にとって最も重要な営業窓口として機能します。
閲覧数が集まっているページに、お問い合わせフォームへのリンクや主力商品の案内、関連記事への導線を適切に配置することで、訪問者を次の行動へスムーズに案内できます。アクセスが多いにもかかわらず次のページへの移動がない場合は、導線やバナーの配置を見直します。
4. 離脱率と直帰率
離脱率は、特定のページを閲覧した後にWebサイトから退出した割合を示します。直帰率は、1ページだけを閲覧して他のページに移動せずに離脱した割合です。
特定のページで離脱率や直帰率が極端に高い場合、ユーザーが求めている情報を見つけられなかったか、操作性に問題があったと考えられます。
改善アクションとして、ページの表示速度の高速化、スマホでの読みやすさの改善、ファーストビュー(画面を開いて最初に見える範囲)の提示情報の見直しを行います。訪問者がストレスを感じずに情報を読み進められる環境を整えることが離脱の軽減につながります。
5. コンバージョン率(成果達成率)
コンバージョン率(CVR)は、ウェブサイトを訪問したユーザーのうち、お問い合わせや商品購入などの目標(コンバージョン)を達成した割合です。計算式は「コンバージョン数 ÷ ユーザー数 × 100」となります。
コンバージョン率は、ウェブサイト全体の成果を測る最重要指標の一つです。ユーザー数が多くてもコンバージョン率が極端に低い場合、集客しているターゲット層と提供している情報が一致していないか、入力フォームの操作性に問題が存在します。
改善対策として、入力フォームの項目数を最小限に絞り込む設定、入力エラーのリアルタイム表示機能の追加、購入・問合せボタンの視認性向上が有効です。
ECサイトにおける独自のアクセス解析指標

電子商取引(EC)サイトにおいては、一般的なウェブサイトの指標に加えて、商品の購入プロセスに特化した数値の計測が必要です。
カート離脱率の確認
カート離脱率は、商品をショッピングカートに入れたものの、最終的な購入完了に至らずにページを離れたユーザーの割合です。一般的に、ECサイトにおけるカート離脱率は60%から70%程度発生するとされています。
カート離脱が発生する主な要因と対応策は以下の通りです。
- 送料や手数料が購入手続きの途中で初めて表示される:商品ページやカート画面で早い段階から費用を明記する
- 決済手段が少ない:クレジットカード決済に加え、ID決済や後払い決済を導入する
- 会員登録が必須となっている:会員登録を行わずに購入できる「ゲスト購入」機能を用意する
これらの改善を実施することで、購入手続きにおける離脱を防ぎ、売上を向上させることができます。
平均注文単価とリピート率
ECサイトの売上は「訪問者数 × コンバージョン率 × 平均注文単価」で決定されます。アクセス数を増やす施策と並行して、注文単価とリピート率を高める取り組みが求められます。
平均注文単価を上げるためには、関連商品を提案するクロスセル設定や、上位モデルを提案するアップセル設定を商品ページや決済画面に実装します。また、リピート率の向上には、購入後のフォローメールの送信やLINE公式アカウントとの連携、定期購入の仕組みの導入が効果的です。
アクセス解析データを活用した改善手順

数値の確認から具体的なウェブサイト改善へつなげるためには、適切な手順に沿って作業を進めることが推奨されます。
データの計測設定と現状の把握
正確なアクセス解析を行う前提として、ツールが正しく設定されている必要があります。GA4の内部トラフィック除外設定(自社からのアクセスを除外する設定)や、ボタンタップ・フォーム送信を正しく計測するイベント設定を行う必要があります。
データが正しく計測された状態を確保した上で、現状の各指標を整理し、数値が著しく低い箇所や離脱が多い箇所を特定します。
優先順位の設定と施策の検証
特定された課題に対して改善策を一覧化し、実施の優先順位を決定します。影響度が大きく、改修の工数が比較的に少ない施策から着手することが基本原則となります。
例えば、アクセスの少ないマイナーなページを修正するよりも、最も訪問者が多いランディングページの改善や、カート画面の入力フォーム修正を優先して実施します。施策の実施後は一定期間(2週間〜1ヶ月程度)のデータを収集し、実施前後で数値がどのように改善されたかを比較・検証します。
まとめ
アクセス解析は、複雑な数値のすべてを分析する必要はありません。ユーザー数、流入経路、人気ページ、離脱率、コンバージョン率の5つの指標を中心に確認を進めることで、ウェブサイトの課題と改善点が明確になります。
数値の変化を継続的に観察し、仮説を立ててサイトの改修を繰り返すプロセスが、Web集客の成果を高める確実な方法です。社内で定期的にデータを確認する体制を整え、実行可能な改善策から順次進めていくことが推奨されます。
福島県郡山市を拠点とする当社では、ホームページ制作やECサイト構築に加え、GA4の設定運用、アクセス解析データの分析、具体的な改善提案まで総合的にサポートを行っています。自社サイトの集客力向上や売上改善をご検討の際は、気軽にご相談ください。