2021/07/01

福島県の企業がECサイト・ローンチで失敗する5つの理由について解説

販売促進

この3年間、私は「郡山市・会津若松市・美里町・いわき市・福島市・国見町・白河市・相馬市・須賀川市・二本松市・田村市・本宮市など」福島県内でEC(「ネットショップ」または「ふるさと納税サイト」)を運営している事業者約200社以上と、福島県の各市町村ふるさと納税担当者の方々とお話をしてまいりました。

実際の経営状況の数値確認はしていませんが、頂戴した感想で割合にすると「成功している(3%)」「まあまあ(7%)」「毎年赤字で閉店を考えている(90%)」という印象でした。

この状況に対して私が思ったことが2つあります。

ひとつは、福島県内でEC(「ネットショップ」または「ふるさと納税サイト」)も積極的に勉強して取り組んでいる事業者が多く、とても感心いたしました。特にいわき地区では「いわきEC会」会津地区では「会津EC勉強会」などのサークルのようなEC事業者の地域コミュニティまで作られ、成功しているEC事業者が新人のEC事業者に対して、ECサイトの作り方やネット広告の運用方法などを支援する体制が構築されていることが素晴らしいと感じました。

そしてもうひとつは、ネットで調べたり、セミナーに積極的に参加したり、ECコンサルタントと契約したり、ほとんどのEC事業者は情報収集は問題ありませんでした。しかし、残念なことにほぼ全ての事業者が想いを実行に移すことができていませんでした。これには「専門人材を採用できない」と「事業投資の資金不足」という現実問題があり、想いをカタチにすることができていませんでした。

今回のブログでは、「カタチにできない」という問題点を解決するためにどうすれば良いのかを一緒に考えて行けるよう執筆してまいりますので、「これからECをはじめたい」とお考えの事業者、同じく「カタチにできず困っている」という事業者の方々はぜひ参考にして欲しいと思います。

1)無料だからという理由で始めてしまった

福島県内の事業者の多くは「無料でネットショップへ出店できます!」「いまなら半年無料で出店できます」、こような営業電話がきっかけでEC(「ネットショップ」または「ふるさと納税サイト」)への出店を決めています。

第1フェーズは、半年間で「ECとは何か」について概要を理解するまで。

第2フェーズは、「EC専用の商品開発」に着手することです。

ほとんどの事業者は、ECビジネスの概要を理解した次の行動は「ECサイト制作」で完全に失敗しています。

冷静によく考えてみましょう。実店舗でも同じことですが、「らーめん店・経営概要」を学んだ後、すぐに店舗設計をすることは考えにくいと思います。通常はラーメン店・経営概要を理解したのであれば、次にその業態の損益計算を作成し、更に損益計算通りになるような商品サービスを考えるのではないでしょうか。

無料というのは、あくまでも体験学習という機会を意味していますので、半年後に第2フェーズへ移行することは予め決めておきましょう。1年間ずっと無料体験のまま既存商品を並べていても売れる可能性は0(ゼロ)ということになりますので注意しましょう。

2)EC専用商品の開発ができなかった

「売れるネットビジネス!」「ネットビジネスは儲かる!」という幻想から目を覚ましましょう。としか正直なところ言いようがありません・・・

出店のきっかけとなった営業の電話でこのように言われたことはありませんか?

「御社と同じカテゴリの販売データでは少なくても月商100万円〜、上位企業では月商数千万円以上となっておりますので、売れる可能性は十分ありますよ」

このフレーズが脳裏から離れずに「そのうち売れるはず」という幻想を抱いてしまうのです。

誤解の無いように説明しておくと、月商100万〜数千万という数字は、確かに嘘(うそ)ではありませんし、もちろん達成可能な数字です。私がここで伝えたいことは、「既存商品を(何も変更せずに)そのままインターネットで販売することは大間違い」ということです。

インターネットで月商数千万もの売り上げをあげる企業の商品は、近くの小売店や飲食店、スーパーなどの実店舗で販売されているものとは全く性質が異なります。ここが一番大事なことですので、しっかりEC専用商品の開発を行ってください。

3)ネット広告の運用を間違えてしまった

EC専用の商品が揃ったところで、次に考えることはウェブ広告の戦略です。

どんなにすばらしい商品でも、口コミの広がりだけに頼っていては目標達成まで何年かかるか分かりません。しっかり自社の商品までの導線作りを計画しましょう。

ウェブ広告で注意しなければならないことは、安易にリスティング広告を出稿してしまうことです。「日予算」を設定するだけで誰でも簡単に広告が運用できてしまうため、つい選択しがちな広告手法です。

まずは「広告とは何か」について、もう一度考えるところから始めましょう。

広告は「広く伝えることが目的」という原点から考えると、リスティング広告だけではなく、ブログやYouTube・Instagram・Twitter・TikTok・Webサイト・ニュースサイト・口コミ・映える写真など、今は伝え方にも色々な方法がありますので、「広告として伝えた方が良いのか」「記事として伝えた方が良いのか」「イメージとして伝えた方が良いのか」「ストーリーとして伝えた方が良いのか」その商品を購入する人物の嗜好・行動を分析してから内容と手法を考えることが必要となります。

毎月広告に多くの予算を掛けていても結果に繋がらないという方は、Webコンサルタントなどの専門家に顧客行動の分析について相談すると良いでしょう。

4)EC店舗の出店先を間違えていた

AmazonECモール、楽天系ECモール、ソフトアンク系ECモール、au系ECモール、ルクルート系ECモール、ふるさとチョイス、エムマート、その他業種別の専門ECモールへ出店するか、それぞれECモールの特性を分析してから出店をしないと大きな機会損失となってしまいます。

基本的に店舗づくりよりも、商材と総合モールの相性が商売に左右すると言っても過言ではありません。福島県の多くの事業者が失敗しているのは、「無料出店の営業の話があったから、そちらに出店先を決めました」ということでした。

これでは本末転倒です。コンビニを開業する場合と同様、商圏をより正確に把握してから出店先を決めなければなりません。

中には「出店料や成約手数料がかからないよう、単独でECサイトを作成した」このような愕然とする理由もありました。

商売に対する基本的な考え方を今一度よく考えてみましょう。ビジネスの基本原則は需要と供給のバランスです。そのことを踏まえると、既存の自社商品にニーズがなく、トレンドに合っていなければ、商品を改良することです。社会を変えることはできませんので、自分が変わるしか方法はないのです。やはりこちらも前述お同様、ニーズやトレンドを分析して把握することが重要になります。

ここでのワンポイントアドバイスは、「ネット商品のトレンド把握」ということです。実店舗のデータではなく、「ネットだから売れる商品」「ネットでしか売れない商品」が実は存在していますので、これを把握するために尽力してみてください。そう簡単に見つけられるものではありませんが、担当のコンサルタントにぜひ相談をしてみてください。

5)スキルが足りなかった

インターネットで販売するためには、インターネットスキルが相当のウエイトを占めます。これはHTML/CSSといったホームページ制作スキルが必要ということではなくて、以下のようなことが実行できていたか?ということです。

■商品名や商品説明には、カテゴリを記載していましたか?

■商品点数は、数百点以上登録ができていましたか?

■サムネイルは、文字で商品が見えなくなっていないか?

■試食や試着など、お試しサービスは実施していますか?

■送料無料ラインは実施していますか?送料別途はNG

■補償規約・返品についての契約ページを設置しましたか?

■定期キャンペーンは実施していましたか?

■リピート対策は実施していましたか?

■SNS対策は実施していましたか?

■定期的にブログ更新は行っていましたか?

■業界最安値の商品ラインナップはありましたか?

■CVR(コンバージョン率)は1.5%以上ありましたか?

■当日(即日)発送に対応できていましたか?

6)福島県の企業がネットで失敗する理由まとめ

これらのように、今のECビジネスでは販売用ホームページを作成すれば、モノが簡単に売れてゆくという時代ではありません。商品も専用に改良しなければなりませんし、売り方も工夫しなければなりません。更には、EC専用に少なくても数百万以上の設備投資が必要となります。

福島で生まれ育った私は、「福島県の商品を全国・世界の人々に知って欲しい」という願いがあります。だからこそ福島県産品に関わる農林水産商品をはじめ、製造業・サービス業の方々は、これに懲りずに絶好のチャンスと捉えて頑張って欲しいと思っています。






記事執筆:
ECサポート株式会社 代表 高橋 猛(たかはしたけし)
1973年生まれ 福島県郡山市出身
広告会社で10年間、主に住宅・自動車・サービス関連のグラフィックデザインに従事した後、学校法人 新潟総合学院(現FSGカレッジリーグ)教員として16年間、福島県内の広告・Web業界の人材育成を行う。現在はECサポート株式会社 代表取締役社長として、福島県内企業のWeb・ECコンサルタントとして活動中。




関連記事

おすすめ記事