2020/06/10

野外フェスの先駆け「ワンステップフェスティバル」!郡山市が全国フェスに与えた影響は?

福島・郡山

【伝説の野外フェス、それが「ワンステップフェスティバル」だ!】

野外フェスに参加されたことがある方であれば、郡山市で開催される伝説野外フェス「ワンステップフェスティバル」を耳にされたこともいるかと思います。

しかし意外にも「ワンステップフェスティバル」がどれだけすごいのか、どうしてあんなに魅力的なのか、そして全国の野外フェスにどのような影響を与えたのか?などと言った数々の伝説が知られていませんので、今回は「ワンステップフェスティバル」の伝説をご紹介していきたいと思います!

「ワンステップフェスティバル」の伝説を知れば、野外フェスのことをもっと好きになること間違いなしです!

【どうして伝説的な野外フェスが郡山で生まれたのか?】

音楽などの芸術というのは、自然と一つの地に集まり、芸術の街として発展を遂げることが多いです。

芸術の街と言えばパリやナント、音楽の街と言えばウィーンやプラハが有名ですね。

日本では音楽の街としてはヤマハがある浜松が有名であり、魅力的な音楽文化を創造して発信し続けています。

しかし日本には、実は浜松以外にも音楽で有名な都市があります。

その都市こそ、「ワンステップフェスティバル」が開催されている福島県郡山市なのです!

『楽都郡山』と聞いてあまりピンとこない方もいるかもしれませんが、郡山では音楽が戦災復興として人々の心の拠り所となったこともあり、音楽の文化が発展してきました。

そしていつしか郡山は「東北のウィーン」と呼ばれるようになり、様々な大きな音楽会が開かれるようになったのです。

そんな音楽に満ちた街で育った郡山の実業家佐藤三郎さんが、ハワイで観た映画をきっかけに、1974年に若者が広場で音楽に酔いしれるイベントを作りました。

そのイベントこそ、この「ワンステップフェスティバル」というわけです。

佐藤さん自らが実行委員長を務めた「ワンステップフェスティバル」は爆発的な人気を生み、皆さんもご存じのようにアメリカからオノ・ヨーコさんも参加され、日本最大のロックフェスティバルと呼ばれるようになりました。

第1回の開催から45年以上経っている「ワンステップフェスティバル」ですが、今でも大いなる盛り上がりを見せているのは、合言葉である「街に緑を!若者に広場を!そして大きな夢を!」を今でも変わらずに守り続けているからといっても過言ではないでしょう。

若い力が時代を切り開き、未来を豊かなものにするという佐藤さんの狙いは、この長い歴史を以て証明されたわけですね。

【ワンステップフェスティバルの伝説は佐藤さんにあり!】

先ほど佐藤さんは実業家であると紹介しましたが、佐藤さんは実業家と言っても、老舗の洋品店のオーナーで1974年当時30代半ばだったわけで、どちらかといえば民間人と言った方が感覚は近いかもしれません。

今では当たり前のスポンサーなどおらず、自分の財産を投げ打って開催した「ワンステップフェスティバル」。

大盛況であったのに関わらず、「ワンステップフェスティバル」は大赤字という結果に終わってしまったことで、翌年以降開催されることなくそのまま幕を閉じる形となりました。

しかし佐藤さんのすごいところはここからで、なんと25年後の2001年に「ワンステップフェスティバル2001」を開催したのです!

当時数千万円の赤字を背負ってしまい、数々の財産を売ることになってしまったにも関わらず、25年前にできた絆を再確認する場を設けるあたり、伝説としか言いようがありません。

ちなみに佐藤さんの一世一代のイベントは、後々になって評価されるようになり、ライブアルバムが売り出されるほどになりました。

そのライブアルバムもあっという間に「SOLDOUT」となってしまうあたり、まさに伝説の野外音楽フェスと言われる所以となっているわけですね。

【全国の野外音楽フェスに与えた「ワンステップフェスティバル」の影響とは?】

「ワンステップフェスティバル」が起こしたムーヴメントは、数々の有名アーティストやロックバンドが一堂に会する興奮、そして同じ音楽を愛する人たちが一堂に会する興奮、この2つの興奮が混ざり合うところに野外音楽フェスが生まれるという図式を生み出しました。

もちろん「ワンステップフェスティバル」より前にも同じような野外音楽フェスは開催されていましたが、ステージ乱入事故が起こるなど強制終了とさせられてしまった野外音楽フェスもありましたから、フェスを最後まで安全にやり遂げるという「鉄壁の運営力」も求められるようになりました。

今は新型コロナウイルスの影響で、野外音楽フェスは中止に追い込まれたり、延長せざるを得なかったりと厳しい判断を迫られる状況になっています。

しかし「ワンステップフェスティバル」が掲げた合言葉「街に緑を!若者に広場を!そして大きな夢を!」は暗くなっている日本にこそ必要な合言葉であり、これからの日本を作る一種の原動力になることは間違いありません。

全国の野外音楽フェスに与えた「街に緑を!若者に広場を!そして大きな夢を!」の精神は、きっと近いうちに産声を上げてくれるだろうと信じてやみません。

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